固定相場制は為替相場の変動を一定範囲に抑えるものです。このため、中央銀行は相場が一定の範囲を超えて動くような場合には為替市場に介入、外貨を売ったり買ったりする義務を負います。世界各国は戦後、長い間この固定相場制を維持してきました。固定相場制を採用していた「IMF体制」の中心は米ドルでした。このため、米国の経済力が相対的に弱まると同時に、ドル不安などの問題が発生しました。一九七一年八月にニクソン米大統領はドル防衛のため、ドルと金の交換を停止しました。この結果、各国の為替相場は大きく動揺、主要通貨の為替相場の全面的な再調整が必要となりました。同年十二月に主要十カ国がワシントンのスミソニアン博物館で会議を開き、新しい為替相場を決めました。このスミソニアン合意で米国はドルを七・八九%切り下げる一方、わが国は円を一六・八八%切り上げました。しかし、この各国間調整にもかかわらず、通貨不安が再燃、七三年二月に主要国はいっせいに固定相場制を放棄し変動相場制に移行しました。